スガネタ。

 

 イメージ小説「AFFAIR

 

ここへ来るとすぐに解るのだ、と彼女は言って笑った。スカートの長い裾に、いつも萩の種がついて、と。

 

「だから帰るといつも、また行ってたの、蛇が出るよ、って叱られたわ」

 

あの頃はとても楽しかったね、と彼女は笑った。

あの頃にも、夕暮れには、遠く近く蜩が鳴いていた。今もそれは変わらない。変わってしまったのは、一体何なのだろうか。

まだ二人とも子供で、毎日二人で駆け回って遊んでいた、あの頃。

 

沙耶と初めて会ったのは、ほんの子供の頃だった。父方の従妹で、同い年の彼女は、知り合ったその年の夏、僕の通っていた小学校に転校して来た。

それまで、存在さえ知らなかった従妹は、僕達が暮らす田舎の町にはちょっと不似合いな、色白で、少しだけ体の弱い女の子だった。

 

僕の故郷は山の中だ。今では一応「市」という体裁を持っているけれど、村と呼んで差し支えない山里だ。僕はその山里の、田舎の町に今も暮らしている。彼女は、数年前、大学進学と同時に出て行ったけれど、年に一、二度、未だ健在の、僕達の祖父母に会いにやってくる。彼女の母親はとっくの昔に街を出て、遠くの都会で暮らしていた。時折連絡はあるらしいが、ここへやってくることは滅多にない。

彼女が僕の住む土地に引っ越してきた理由は、両親の離婚だった。半ば駆け落ちでもするように結婚した僕の叔母は、その結婚が破綻するまで故郷に帰ってくることも、ましてや連絡してくる事さえなかったという。それが突然、小学生の娘と一緒に帰ってきた。父も祖父も、身勝手な彼女にあまりいい顔をしなかったが、祖母は戻ってきた娘と、初めて会う孫娘を暖かく迎え入れ、それから数年の間、一緒に暮らしていた。

僕は、突然やってきた見知らぬ女の子が祖母達と暮らし始めるのに驚いて、けれどすぐにその女の子と仲良くなった。祖母と母が仲良くしなさい、と言ったのもあるのだろうが、見慣れない、どこか頼りない彼女に、幼いながらに惹かれていた。

やって来たその年の夏、僕達は朝から日が沈むまで、毎日のように一緒に遊んだ。野山を駆け回ったり、川で泳いだり、魚釣りをしたり。夏休みが終わる頃には、僕達は兄妹のように仲良くなり、掴み合いのけんかまでするようになった。

そうやって、高校を出るまで一緒に育った。

沙耶の母親は、その頃にはもう町にいなかった。町に戻ってからの彼女は、どちらかというと人の噂に上りやすい人だった。とは言え狭い田舎の町で、駆け落ち同然に出て行って、離婚して戻れば、そんなものだろう。それで尚且つ、男の絶えない人だった。どこか蠱惑的で、奇妙に幼く見える不思議な人で、恋愛に関してとても自由な感覚を持っていた、らしい。父や祖父に言わせれば、しまりがない、ということになるのだろう。次々と恋人を変えて、時には家庭のある相手と何日も行方をくらましたりした叔母は、僕達が中学生の頃、再婚して町を出て行った。僕がその人に会ったのはその少し前が最後で、今どこで何をしているかは全く解らない。知りたいとも思わないが。

沙耶は、それでもこの町に残っていた。行く場所がなかった、と言うべきなのかもしれない。狭くて小さな町の小学校を出て、中学を出て、高校を出るまで、祖父母と共に暮らしていた。別に不幸だと思った事はない、といつか言っていた。母親がいなくなって清々した、とも、ここにいて良かった、とも、いつか言っていた。祖父母に出会って、一緒に暮らして、育てられて、僕や、僕の両親や、兄弟や、友達に出会って、寂しい事なんてまるでなかった、と。それでも、彼女は僕に時々奇妙な顔を見せた。寂しくなかったというなら、その顔は「寂しい」顔ではなかったのかもしれない。

それでも、高校を卒業して、大学進学と同時に、沙耶は町を出た。進学するつもりのなかった彼女がそれを決めたのは、音信不通だった彼女の実の父親が、突然のように連絡を寄越してきたのがきっかけだった。彼女の父親も、再婚して、新しい家庭を持っていた。育ててもやれず、この先も、一緒に暮らすことは叶わない、それでも、娘のため何か出来ないか、という、半ば贖罪的にも思える音沙汰に、最初彼女は戸惑っていた。けれど進学に際しての学費も生活費も、必要なものは総て出す、という父親の申し出を、彼女は拒むことなく受け入れた。

勿論、祖父母はそれを止めたりしなかった。むしろ、彼女が大学に進学できる事を喜んでいた。年寄り二人の力では彼女にしてやれる事も限られているし、彼女が構わないというならと、異存もないようだった。

 

「おじさん達がおばあちゃんと暮らしてるって聞いて、本当はどうしよう、って思ったの」

 

それから数年後、祖父が亡くなった。勿論彼女も葬儀に出席したが、町には年に数度、戻るかどうかというところだった。ここが嫌いな訳じゃないけど、といつか困った顔で笑っていたけれど、きっとここが好きというわけでもないのだろう。僕はそんな風に思っていた。

 

「だって家に帰ったら、前にはいなかった人がいることになるんだし。ああでも、おばあちゃんが一人になるより、ずっといいんだけどね」

 

いつか、彼女はそう言っていた。祖母は今は、本家と呼ばれる、元から暮らしていた家で、僕の両親と暮らしている。僕は、その本家から歩いて数分のところにある、生まれ育った小さな家を引き継いだ。進学することなく、市内の中堅企業に就職して、十年に満たない期間、その寮で暮らしていたが、結婚して家に戻った。いずれは僕も、僕の両親がしたように本宅に移るのだろう。そうは言っても、今はまだ考えも及ばない、そんな未来の話だ。

 

「でも、もう帰って来ない方がいいのかもしれないね、居場所も、ないし」

 

彼女はそう言ってまた、困ったように笑った。いつか遊んだ川原で、蜩は、鳴き止んでいた。

 

「奥さん、今はどうしてるの?」

夕闇が迫る。家から離れすぎない川原から、僕達は歩き出した。

三年前、結婚した。妻は、同じ会社に勤めていた、二つ年下の、どこにでもいるごく普通の女性だ。取り得と言ったら家事くらいしかないが、料理が好きで、柔らかい気配と、優しい性格の、家庭向きの女だ。時々激しく喧嘩もするけれど、それでも、物が飛んできたり殴られたりした事は一度もない。友達のところでは刃物まで持ち出された、なんて話も聞くから、大人しい方なのだろう。笑う顔が可愛らしいと思って、今でも勿論それは変わらない。一緒にいてほっとする、疲れた時に側にいてくれたら、そう思って一緒になった。

「実家だよ。俺も、明日行くんだ」

去年の夏、子供が生まれた。その子供を連れて、妻は先に実家に戻っていた。僕は、従妹が久々に戻るから、顔を見てから行くと言って、一人家に残っていた。

「一人で行かせたの?奥さん、可哀相」

「なんで?だってとなり町だぜ?車で三十分だし」

「でも、赤ちゃんも一緒でしょ?なんで一緒に行かないかな、お父さんは」

彼女はそう言って、どこか不服そうに首を傾げた。僕は苦笑して、しながら、

「だからだよ」

「だからって、何よ?」

「あいつらがいたら……ゆっくり会えないだろ?」

僕の言葉に、彼女は足を止めた。そうして振り返り、不思議な目で僕を見つめた。

「な……何?」

「あたし、睦には、そういう男になって欲しくなかったな」

さらりと言って、彼女は僕に背を向ける。数歩進んだ彼女を追って、僕も再び歩き出す。

「奥さんに黙って、他の女にこっそり会う、なんて」

「他の女って……だってお前じゃん」

「あたしなら、何なのよ?後ろめたくない?」

「後ろめたいから……こんなことしてんだろ?」

さくさくと、下草を踏む音が聞こえる。蜩が遠のいて、今度はもっと軽やかに、虫の鳴く声が聞こえ始める。

「じゃ、やっぱり、「そういう男」じゃない」

「そういう男に、ほいほいついて歩く女が、何言ってんだよ」

その物言いが悔しくて、僕は言い返した。彼女はまた振り返り、今度は、奇妙な笑みをその顔に浮かべた。

「そうよ、あたしは「そういう男」についていく「そういう女」。母さんの子だもの」

笑みは、自嘲的だった。僕は一瞬息を飲んで、言葉に詰まる。

「沙耶、俺は別に、そういうつもりで……」

「でも「そういう女」でしょ?今こうして、ここにいる、ってことは」

彼女は歩くのをやめた。僕も立ち止って、そこにある奇妙な笑みを見ていた。

「奥さんのいる人と、誰にも内緒で二人で会ってる……充分「イケナイ女」よ」

「……俺だけの、せいじゃないだろ」

責められる様な言葉に、僕は目をそらした。彼女は小さく笑って、そうね、と小さく言った。

「ま、誰にも内緒、でもないけどね。出る前に叔母さんにもおばあちゃんにも、睦と散歩、って言ってるし。何にも、疑ってないけど」

言って、からからと彼女は笑った。僕は今一度、視線を彼女に向けた。彼女は微笑を浮かべて、僕の、ほんの少し高い位置にある顔を見上げる。

「あの時あたしが、せめて日本にいたら、睦はあたしを待っててくれた?どこにも行かなかったら、睦とあの家に住んでたのは、あたし?」

「……わかんねぇよ、そんなの……」

問いかけられて、僕はまた目をそらす。彼女は笑うのをやめた。そうして、背伸びして、僕に抱きつく。

「沙耶」

「あたしは、睦がずーっと好きだった。あたしがいない間に、結婚して、奥さんが出来て、子供まで生まれて……裏切られた、って、思った」

耳のそばで、声が聞こえた。しがみ付くように、沙耶は僕を抱いていた。

「今でも、睦が好きよ。奥さんがいても子供がいても、従妹でも……多分、兄妹でも……」

「やめろよ、そういうの」

「あたしをこんな風にしたあんたが、それを言うの?」

僕は沙耶を振りほどかなかった。抱き返しもしなかった。言葉とは裏腹に、沙耶の声は落ち着いていた。

彼女の言う通り、僕は彼女を裏切った。彼女は四年前、仕事で海外に行ってしまった。それまでの僕らの間には、従兄妹というあやふやなものではなく、もっと確かな繋がりがあった。それはひそやかにではあったけれど、何よりも濃くて強かった。何物にも侵されず、汚されず、ただ僕達はひたむきに、お互いを愛していた。失えば生きていけない、失くすくらいなら殺してしまいたい、そんな風に思えるほどに。

けれどそれは、誰かに知られてはいけないことだった。両親にも、ましてや祖父母に知られれば、どんな事になるか解らない。何事もなくても、僕達は引き離される。きっと二度と、姿を見ることさえ許されない。それに耐えることなど、出来ようはずがない。だから。

「俺は……あの時、置いて行かれたんだと思ったんだ」

言葉を紡ぐ声は、途切れ途切れで枯れかかっていた。目頭が熱くなって、僕はやっと、彼女を抱きしめた。

「睦……?」

「お前が先に、逃げたんだと思ってたんだ……」

今でも、想いは変わらない。彼女を愛している。いつのころからかは解らない、けれど長い間ひそやかに、ここにいるこの女を、誰よりも愛おしいと思ってきた。他の誰かと一緒にいて、表面では忘れていても、ふとした拍子にいつも思い出す。住み慣れたこの土地の野山も、夏に咲く沢山の草花も、夕暮れに鳴く蜩の声も、夜に流れる川の音も、今まで、その全てを彼女と共有していた。その全てにまだ、彼女が宿っている。忘れようとしても、忘れられない。離れていても、其処此処に彼女が息づいている。忘れられるはずが、ないのだ。

「睦……ごめんね」

「今更、何言ってんだよ……俺だってお前に、こんな風にされたんだ……」

「でも……ごめんね」

彼女が、僕を抱く腕を緩めた。それでも僕は、その体を抱いていた。腕の中に、沙耶がいる。愛おしさに眩暈がしそうになる。まだこの女を愛している。そんなことは、誰に言われなくても解っている。それでも僕は逃げたのだ。捨てられたのだと思って、思い込んで、他の誰かと一緒になった。

「沙耶」

名を呼んだ声は、吐息に似ていた。どうしたらいいのかと、そればかりが頭を巡った。

「もう……会わない」

腕の中で沙耶が言った。僕にもたれて、沙耶はそっとその頬を、僕の胸に摺り寄せる。俯いた顔はどこか切なげに、その眉を寄せている。

「もう会いに来ない……来ないから……」

沙耶を抱く腕をそっと緩めて、僕はその顔を見下ろした。沙耶は目を閉じて、何度もその頬を、僕に擦り付ける。

「沙耶……」

「だって、睦の言う通りよ……あたしが先に逃げたんだもの……睦と一緒にいたら、離れられなくなるって、解ってた……だから……」

僕達は、一つにはなれない。どんなに愛おしいと思っていても、誰がそれを許すだろう。誰かが何か言った訳でもないのに、僕達にはそれが解っていた。兄妹でも親子でもない、それでも、僕と沙耶とが愛し合うことは、許されなかった。従兄妹だから、ではないかもしれない。それでも、周りがそれを祝福しない、それだけは解っていた。

それでも、僕達は余りに近くに居すぎて、だから失う事など、思ってもいなかった。考えた事もなかった。それでも、手に入れられないことを知っていた。水面に映る月のように、近くにあっても触れられない。もし触れようとしたなら、揺らいで、消えてしまう。

「沙耶……」

「……帰ろう。暗くなると、足元、見えなくなっちゃう」

沙耶は僕から離れた。そして、僕に背を向けて、ゆっくりとまた歩き出す。僕はそれを少しだけ見送って、何も言えずに眉をしかめる。

「沙耶……俺は……」

言葉を紡ごうとして、出来ずに口ごもる。今更、と、僕も彼女も口に出して言ってしまった今、他の言葉に意味がないことは解っていた。それでも、何か言わずにいられない。胸の内の、闇夜の濁流の様な、こんな思いを抱えたまま、こらえている事なんて、できない。

「何?」

沙耶が振り返る。僕は口ごもったまま、ただ眉をしかめていた。

こんな風に、ここにいる女をまだ愛している事は、愚かしい事だろうか。ついさっき、その口から「逃げた」と聞かされたのに、そして自分も同じく、彼女から逃げたというのに、それでも尚、失いたくない、手に入れたいと思うのは、ただの身勝手だろうか。

「何、睦」

重ねて、沙耶が問いかける。僕は飛ぶように草を蹴って、無言のままもう一度、飛び掛るように、彼女を抱きしめる。

「睦……」

「……このまま、逃げよう」

口からこぼれた言葉に、僕は驚いていた。かすれた声は、そのまま、戸惑う僕自身さえ置き去りにするように、言葉を紡ぐ。

「このまま一緒に、どこかへ……」

「何言ってるの……そんなこと、できるわけないでしょ」

「だったら……だったら、どうしたらずっと一緒にいられる?」

「だって、奥さんと赤ちゃん、どうするのよ?」

沙耶の声は笑っていた。何かを嘲るような、そんな笑い方だった。嘲られても、謗られても、僕は止まらなかった。止められない、今更だと言われても、今更だから、余計に、か。

「捨てる。沙耶が手に入るなら、俺は……」

「……どうしてそういうことを、今になって言うの?」

沙耶は吐息混じりの声で言った。抱きしめる僕の腕を振りほどくでもなく、彼女は僕に抱かれて、その身を委ねるようにさえしながら、裏腹に聞こえる言葉を紡ぐ。

「あんたは結婚して、父親になって……これ以上、何が欲しいの?奥さんの事も子供の事も、大事だって思ってるんでしょ?」

「そんなの……関係ない……」

「だったら……どうしてあの時……あたしを止めて……連れて、逃げてくれなかったの?」

沙耶の手が僕の背中に回る。そのかすかな震えに気付いて、僕はそっとその顔を見下ろす。

「もう、何もかも遅いの……もう戻れないのよ?どうして今更、そんな風に言うの?」

沙耶は俯いたまま、僕に抱きついていた。もう一度硬く抱きしめて、僕はその名を口にする。

「沙耶……」

このまま、彼女と一つになってしまえたら、この体に彼女を取り込めてしまったら、どんなに幸せだろう。強く抱いたまま、離れずにいられたら、どんなにいいだろう。彼女を手放さずにいられたら、どんなに。何度も繰り返し、僕はそれを思った。

一つになることは叶わない。体を重ねる事さえ、許されない。きっと触れることさえ、誰にも知られてはいけない。それでも手放したくなかったら、一体どうしたらいいのだろう。愛おしさで目が眩む。世界が歪んで、倒れそうになる。失うくらいなら死んでしまいたいとさえ願うのに、そうすることすらできない。それは、彼女が許さない。けれど殺すことも出来ない。そんな事がしたい訳ではない。ただ、失いたくない、それだけ。

「沙耶」

腕を緩めて、その顔を見下ろす。俯いていた沙耶がそっと顔を上げると、僕は手でその頬を捕まえた。僅かに低い顔が近付く。途端に、沙耶が叫ぶ。

「睦、やっ……駄目よ!」

「好きだよ」

けれど言葉は、僕には届かない。ただ彼女の、声だけが聞こえた。

「やめて……駄目だったら!」

「好きだよ」

沙耶がもがく。顔を左右に振って、僕から逃げようとする。力ずくで僕はそれを制して、ただ、同じ言葉を繰り返す。

「好きだよ」

何をしているのか、どうしたいのか。思った時、涙が湧き出すのを感じた。沙耶は小さく震えて、身を強張らせて、僕の全てを拒むように、強く目蓋を閉じていた。

「……愛してるよ」

最後にそう言って、僕はその額に口付けた。沙耶の震えが止まって、驚いた様に目蓋が開かれる。虚を突かれた様な沙耶の顔に、僕は苦笑した。

「睦……」

「君を愛している……大好きだよ」

僕は沙耶を解放する。沙耶は驚いた顔で僕を見上げて、そうしたままその目に涙を浮かべた。

僕はもう一度彼女を、今度はそっと抱き寄せた。沙耶はもう一度僕に抱かれて、時折、ごめんね、と細い声で謝罪しながら、腕の中で少し泣いた。僕は何も言えずに、ただそこで彼女を抱いていた。さっきの激情は、もうどこにもなかった。逃げたい、も、死にたい、も頭を過ぎらず、ただ寂しさだけに支配されているような、そんな感覚だった。

 

「月がもう出てる……もうそんな時間?」

「満月の前だから、昇るのが早いんだ」

「ああ……そうか……」

 

草叢の中、僕らは空を見上げる。まだほの明るい、東の空を見やると、白金色の満ち切らない月が、ぽっかりと浮かんでいた。

 

「じゃ、そろそろ帰ろうか……足元、本当に見えなくなってきた」

「そうだな」

 

月が世界を白く照らしている。僕達はゆっくりと、家に向って歩き始める。

 

“あなたが思うよりもこの想いは限りなく深い

覚えているよりも思い出は果てしなくありそうで”

 

 

自分ツッコミ・何じゃこりゃー!!(待て)と言う訳で「スガシカオさん四十二歳の誕生日おめでとう企画」にはちょっと早いですがこんなん書いてみました、てへ(てへじゃねぇ)目指していたものは「夏の夕方」と「不倫」と「サビ」……二個目の何かは私の手には追えなかったのかもしれませんなぁ……てかそれで「でこちゅー」だけで済む訳が……げふげふ……あーちなみに今回はデモテープ版で書きました。私の中のデモ版「AFFAIR」はこんなイメージということで一つ。聞いてみたい人はニコ動で探しましょう。ちなみにそのために実はこっそりクレービングをぱそこん様に召還した次第ですよ、ええ。いやだってこれ市販品じゃないからさー……他にもちょびっとだけ落としたけどー……さておき(待て)書いてる途中で「ニコ動で大絶賛☆矢祭」になった上に「ハーデス十二宮編」一気見したりして頭おかしくなったりしたので名前ビミョーに「羊×乙女」……「睦」は「あつし」ですが沙耶は夏椿の別名からもじってます……意味の解らない方は此処はスルーでお願いします()しかし結局どーゆー話しなんだかよく解らないボケボケ加減でしたな、今回。いやでも世の中きっちりオチがつかない事だってあるわけだからさー……たまにはこーゆー、ドロドロまでいかないけどすっきりしないのも、書かせてくださいお願いします、ということで()

 

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Last updated: 2008/07/22

 

 

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