つれづれにだらだら雑記

この頁はちょっと硬いです。でも書く。

  鯨とぞ謂ひけるもの(タワゴト)

 

皆さん「鯨」と聞くと何を思いつきますか?

ちょっと今回は硬いというか、変な話を一つしようと思います。

鯨についてです。

 

これ本当にどうしようかと悩んだのですが、

いつまでも抱え込んでいてとんでもない事になるよりは、と、

こうして書く事にしました。

この頁を見て不快な思いをされる方がいたり、

また「それは違うよ」と言ったご意見がありましたら、

確認したその時即刻削除いたしますので、

どうぞご了承ください。

 

そして「何それ、どういうこと?」と思った方も、

どしどしご意見いただければと思います。

とは言え私が知っている事は殆ど無に近しいのですが。

とりあえず、地球上で最大の大きさを誇る哺乳類です。

とても大きくて素敵な生き物です。

生涯で一度でいいから、本物に会いたいです。

いかん、考えただけで涙まで出てきちゃう。

 

鯨が「好きか?」と問われれば、

「嫌いじゃないよ」と私は答えます。

そんなに深い感慨を持っているわけではありません。

生き物は何にしても、素晴らしいものだと私は思っているし、

動物というヤツが頓に好きらしいので。

ただ鯨に関しては、何だか色んな事をひたすら、考えます。

 

鯨と言う生き物は、仲間割れをしないのだそうです。

共食いは当然の事ながら、

群れの中で争いごとを一切しないのだそうです。

素晴らしい。この一点だけでも、敬意に評します。

そんな素敵な生き物がいるなら、自然に生きているところに出会ってみたい。

その辺はミーハーも手伝って、正当な欲求だと思います。

まあ何でも見たい知りたい人だから(創作屋なら当然)

鯨以外に会ってみたい生き物も沢山いますが。

イルカと一緒に泳ぎたい、というか、イルカセラピー受けたい、とか。

そんなことも考えたりします。生イルカに触ってみたい。

 

話がちょっと飛びますが、

鯨やイルカを含む海の哺乳類達は、進化の過程で、

肺機能を持ってから再び水の中に入ったらしい、という説があります。

というか、我々人間の祖先らしいのですが、

二足歩行を得たのは水に入ったためだ、とか、

他の哺乳類に比べて体毛が少ないのも、そのためだ、とか、

そういう説があります。飽くまで説ですから、そうだとは言い切れませんが。

もしかしたら鯨と人と言うのは、

そういう形で兄弟のような生き物だったのかも、とちょっと思います。

ロマンです。

それで水から上がったのが我々の祖先で、

水の中に残ったのが鯨やイルカの祖先だとしたら。

私はちょっと嬉しいな、と思うのです。

でも、哀しいかな。

水から上がった私達は、同じ群れの中で争っております。

せめて群れの中でくらい仲良く出来たらいいのにね、と思う時、

同じ生き物同士争わずにいられたらいいのにね、と思う時、

鯨を、そして海を思います。

彼らはあの大きな、たゆとう水の中に生きているから、

だから争いをしないんだ、争うなんてこと考えないんだ、と。

実際海には不思議な魅力があります。

私は女の人なので海のロマンは解りませんが(偏見?)

あの大きな水溜りを見ていると、ほっとしたり感動したりします。

ここ数年間近に見てない気もしますが(港とか新幹線からは見ますが)

 

日本人は、これまた諸説ありますが、

海洋民族の様相を呈している部分もあり(やらしい言い回し)

沢山の海の幸に恵まれて生きてきました。

海の向こうから渡って来たという人たちも、沢山いたようです。

また、数十年昔には、その「海の幸」として、鯨も捕っていました。

現在では商業捕鯨は禁止されており(すみませんこの辺うろ覚えです)

国内で国産の鯨肉は殆ど入手できません。

調査捕鯨によって捕られたものが、ほんの僅かあるかどうかで、

流通しているのは北欧のものが殆どだそうです。

件の条約に参加していない国から、輸入されているそうです。

居酒屋で出てくるのはそのためです。

内緒で捕っているわけではありません。

だから食べても大丈夫、と、一応書いておくとして。

 

長くなるなぁ、この頁。うんざりしたら適当に切り上げてくださいね。

 

私たちの世代ではぴんと来ませんが、

ちょっと昔、私たちの親の世代には、

給食といえば鯨の肉、というのが相場だったようです。

当時の食糧事情を鑑みると、当然のことですね。

現在のように、牛肉も豚肉も生産できなかったようだし、

輸入もまた同じく、できなかったのでしょう。

それでも子供に栄養価の高いものを食べさせるために、

鯨は食べられていたのだろうなぁ、と思います。

別にそんなことは気にしてません。

ふーん鯨って食べられるんだぁ、というのが正直な最初の感想でした。

食べてみて思ったのは「ふーん……鯨ねぇ」←こんなカンジ。

凄い美味!とは全く思わず。珍味?でもなく。

他に動物性淡白が摂取できれば、特に求めるものでもないな、と。

この時は「確か商業捕鯨って禁止じゃなかったか?」とちょっと焦ったりはしましたが、

その後その辺りの誤解も解けましたので、念の為。

母に「鯨って美味しいの?」と、聞いたこともありました。

やっぱり「特別そうでもない。けど食べてたよ」という返事があり、

そうだよな間違ってないよな、と思ったのでした。

最近ちょっとブームと聞いて「なんで?」と思ったり。

きっとその味に何か思い入れのある人たちが、鯨肉を求めるのでは?と、

勝手に解釈したりしています。

味覚にいちゃもんつける気は全くありませんよ。

その辺りは個人の好みの問題だし、

何しろ私、大味のO型だもん()

でも言う。「不味いものを食べさせられて育ってない」どーだ参ったか!!

 

……話ずれましたね。硬くないですね、ちょっと、しっかりしろよ。

 

鯨の中には絶滅危惧種といわれているものがいます。

人間の乱獲によって激減してしまったんだそうです。

哀しいことです。哀しいですが。

 

「それと日本の捕鯨の因果関係はどこだ!

 

日本人というのは、かつて飢餓民族だったらしいです。

世界有数の飢餓民族だったらしいです。

詳しいことは忘れてしまったのではしょりますが、

そんな訳で現代の人には糖尿病なるものが、

付きまとっているのだそうです。

食べられるときに食べて蓄えとけ、という体質なんだそうです。

故に食べるものが沢山ある現代では、食べて蓄えすぎて病気になる、らしいです。

そして溜め込んでじりじりとしか使わないんだとか。

そんな貧乏根性は、鯨の利用法にもつぶさに現れて……いるのか否か。

捕られた鯨は、どう利用されたか。

食肉は当然の事ながら、その油はろうそくやランプ油、口紅にまで加工され、

骨にいたっては膠の材料として使われたそうです。

まさに骨までしゃぶるとは、この事です。天晴れ。

肝油も、鯨から沢山作っていたそうです。

「肝油って何?」と若い人は言うかもしれません。

薬屋さんにいくと今でもある……のかな。

私はゼリービーンズ状の肝油にお世話になりました。

子供のための栄養補助剤だと思っていただければいいかと。

それも認識違っているようですが。

とにかく、鯨は肉も骨も皮もみっちりぎっちり、使われていたそうです。

 

何しろ体の大きな鯨です。

毎日十も二十も捕れません。当たり前ですが。

一頭捕るのにも沢山の海の男達が、命をかけるのです。

銛で突くなどして捕るのです。

船に乗せられずに、海水の中を引っ張って移動して、

途中で鮫につまみ食いとかされるのです。

(注・現在の捕鯨船には大きな甲板があってちゃんと乗せられるそうです)

鮫が出てきた時点でまた命を張るわけです。

隅々まで使わないと、ばちも当たろうと言うものです。

鯨をとった人たちは英雄でした。肉だけでなく富をももたらすからです。

 

鯨捕りさんへの賛美はこのくらいにして。

 

地球という星には、本当に沢山の生き物が住んでいます。

人間様はその中でなんと言うか一番、色々しています。

色んな動物が絶滅危惧種となり、滅んでいき、

これじゃいけないと、保護をしています。

悪いことじゃありません。人間じゃないとできないことです。

鯨も、そんな訳で保護されています。

そして数も、増えているのか?というレベルで増えています。

 

別に保護にけち付けようっていうんじゃありませんよ。

いうんじゃありませんけど、思うところがありすぎるのですよ。

 

「鯨やイルカは賢い生き物だから、食べるなんて」

 

私はこれに類似した言葉が嫌いです。つーか、脳天爆発しそうです。

 

食べるなんてどうだっていうのさ!野蛮なのか?

今はそんな時代じゃないから構わないけど、それしか食べられなかった時代があったんだよ!

賢いから食べるなってのは何なのさ!

じゃあ他の、食肉にしている哺乳類は食べていいレベルに賢くないと、

そう言いたいのか!!

 

そりゃ、捕られたんだから、可哀想ですよ。

賢い生き物ですよ、鯨もイルカも。

切れば痛いし血も出るし、死ぬのは嫌でしょうよ。

それじゃお肉になって私たちを生かしてくれてる他の動物様たちは、

賢くないしそのために作られてるから、

肉にしても食べてもいいっていうのか!

 

私は鯨が好きだと思います。

こういう言い方しか出来ませんが、

だからこそこんなことで腹も立つし泣きたくもなるのだと思います。

 

でも、そういう差別はどうなのよ、星印の国の人!

 

鯨の激減の理由は、乱獲もあります。

他にも「そういうサイクルだ」という説もあります。

乱獲、というと思い出されるのが、ドレスのコルセット。

その様式が流行った時代、コルセットの枠組みに、

鯨のひげが使われていたそうです。で、

あろうことかそのひげを取るためだけに、鯨が捕られていた事もあるそうです。

 

ちょっと待て!あの大きな生き物のひげのために、ひげのためだけに!!

 

……ちょっと一呼吸置きましょう。はい深呼吸。水飲んで、トイレも行こうか。

 

この「ひげのためだけに」という話を初めて聞いた時、

私はまだ中学生でした。

実際はヒゲと油でしたか?

でも、肉は捨ててたらしいです。

それから延々と、色んな人たちに、

「鯨については思うところが沢山あって」と言ってきました。

この頁を呼んでいる人にはそれがどれほどのことか、

見れば解っていただけるかと思います。

それも文化の、歴史の一つだと言ってしまえばそれまでで、

事実そうなのでしょう。

すんだことをどうこう言っても仕方ないです。ただ哀しいばかりです。

そして私は善人でもなければ活動的でもないので、

そのことに対して腹の中をぐつぐつさせることしか出来ませんが。

 

日本の色々なところで、鯨は数十年前まで捕られていました。

そして件の条約によって、捕鯨は禁止されてしまいました。

鯨漁で生計を立てていた人たちは、

そのことによって、その後大変苦労なさったことでしょう。

それまでの生活の手段を、根こそぎにされたんですから。

北欧のとある国は、その辺りも鑑みてか、条約に参加していたというのに、

近年(でもないかも)商業捕鯨を再開したそうです。

国民の生活や食糧事情を守るために。

そうしていかないと食べていけない沢山の人のために。

私はそれを批難しないし否定もしません。

どちらかというと英断だと私は思います。

国際社会の中にあって、そこからはぐれるリスクは大きいでしょうし、

それ相応に色々と大変だとも思います。

だからそれを批難する人たちに、聞いてみたいというか、言いたい。

 

じゃあ貴方たちがその人たちの生活や食べ物、保障してくれるっていうの?

 

口で「可哀想」とか「野蛮」とかいうのは簡単です。

でもそれは身勝手でしょう。

だからあの縞々と星の(以下自主規制……危険すぎるので)

 

……納得いかない。つーか、腹立つ。

 

別に鯨肉を食べることを薦めているわけではありません。

他に栄養をとる方法がある今、進んで食べる気もありません。

実際豚や牛の方が食べやすいと思います。

さっき言ったような差別ではなくて、味や流通や、その他の理由で。

貰ったりして手に入ったら、きっと鯨も食べます。

そういう形で猪も食べてます。

だからと言って好き好んで食べる人を批難したりしません。

それはその人の好みであって自由ですから。

 

近年、ある種の鯨は数を増やしているそうです。

保護活動が実っているようです。素晴らしいことです。

しかしその反面、海洋国日本は大変なことにもなっているのです。

 

知ってますか?クロマグロも、絶滅危惧種なんですよ?

 

マグロの数も減っています。

マグロだけじゃありません、色んな魚の数が減っているそうです。

矢張りそこはそれ、生き物としてのサイクルだ、という説もありますが、

鯨が人間の漁場を荒らしている、という事実も、またあるそうです。

(とは言え激減の直接の理由が日本だとか鯨だとか断言はできませんが)

何しろ鯨は大きいですから、

あの大きな口でがばっと、数十匹なら可愛いものですが、

数百匹の魚を飲んでしまうんだそうです。

日本の漁師さんたちは、色々悩みのある中、鯨にも頭を痛めています。

鯨が、群れでいる魚を一気に食べてしまうと、

当然一気にその漁場の魚はいなくなるわけです。

そして、その漁場近くに鯨が沢山生息することになれば、

猟師さんたちは全く漁ができなくなってしまうのです。

当然、そうなってくると食卓も大打撃です。

日本人は魚が大好きで、余所の国と比べて、

かなりの量の魚介類を食べるのだそうです。

そして政府のとある機関(多分食糧庁とかその辺)では、

そんな未来の日本人のために、

色んな魚を捕まえて食べられるかどうか、調査しているのだそうです。

アフリカの某国ではすさまじい量の海老を捕っているそうですが、

殆どが日本に輸入されて来るとか、来ないとか。

何しろそんなレベルで魚を食べるのです、我々は。

 

で、食卓大打撃の理由が漁場を荒らす鯨にある、のに、

件の条約に則って、日本では鯨を捕る事ができません。

その辺、どうなんでしょう。

別に、無理して捕れとか食えとか言いませんが、

放置しておいて済む問題じゃないでしょう?

 

だから私は色々と考えるのです。

確かに賢い、素晴らしい生き物です。何というかもう、頭が下がります。

さっきも書きましたが、捕まったら嫌だろうし、切れば痛いし血も出ます。

死にたくもないし、食べられたくもないでしょう、鯨だって。

(ってこんなこと書いてると明日から絶食しそうな気分になってきます……まずい)

だけど鯨によって大変な目に会っている人もいるし、

海の生態系が狂い始めているのも、確かなんです。

鯨は守って、他の海の生き物は、ほったらかしでいいの?

それはナンカチガウだろう!

大体、乱獲のそもそもの原因はなんなんだ!

海の神様に感謝して鯨を食べてた人たちが、全部悪いのか!

 

学生の頃、全然関係のない講義で、この話が出たことがあります。

当然のように私は黙っておりました。

何か言い始めたらきりがないことは解っていたので。

その時の先生が言いたかったことは、

「何でもかんでも関係ないでは済まされない」ということで、

鯨は直接関係なかったのですが、

(先生は某大手重工メーカーに怒りをぶつけておいででした)

「関係ない」と済ませてはしまえません。

食卓の大打撃の観点からしても、

民族として「野蛮」扱いされる観点からしても、

「食べる」という基本的な生命維持活動の観点からしても、

そして星とか縞々とかの旗の辺りにしても。

私が喚いたところでどうなる問題でもないですが、

 

この問題にはまだ結構沢山のおまけがあって、

本当はこのくらいじゃすまないのですが、

ひとまず今回はこの辺でしめておこうと思います。

 

ああ、やっぱりとんでもないこと書いてしまった。

でも、これだけは言っておきましょう。

嫌いだったらこんなに悩まないよ。

嫌いじゃないから、こんなに悩むんだよ。

本当は素直に「好き」と言ってしまいたいんですよ。

 

鯨。

 

 

 

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Last updated: 2005/8/07

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